プログラマーの適性と、適正なプログラミングを行うことは似て非なるものです。プログラマーの適性というのは、論理的な思考ができたり、物事の切り分けが上手だったりといったことがよく挙げられます。しかし、これらはプログラミングを続けていけば、だいたい身につきます。

そもそも、プログラミング言語は誰でもコンピューターに言語命令を与えることができるという名目で作られています。それが一部の人しか扱えない特殊なものであったなら、プログラミング言語を考えた人の意図は失敗しているということになります。確かに、プログラミング言語を作った人は高い能力を持った人ですが、それを誰でも扱えるレベルにまで落とし込めるからこそ高い能力といえるのです。

では、一方の適性なプログラミングとは何かというと、それは誰が読んでも分かりやすい無駄のないソースコードを作成することです。個人の趣味なら、システムが動いて自分が把握していればいいのですが、仕事となると基本的にチームを組んでシステム構築を行います。そこで、他のチームメンバーが理解不能なソースコードを作成すると、混乱してしまう可能性が出てくるのです。いくらハイセンスなロジックでプログラミングしようと、それは単なる無駄となっていまいます。例えるなら、業務報告のドキュメントを詩人風に書くようなイメージです。正確な報告が求められる場面で、文学的な表現が不要なことは想像できるでしょう。これと同じで、適正なプログラミングを行うことはプログラマーの適性があることと微妙に違います。